JOURNAL
nanamica
ASPHALT & GREEN RECORD vol.13
2026.07.17
ALPHADRY Field Co-ords for a Quiet Noon

「渋好み」と呼ばれた江戸っ子たちは、鼠色や茶色のような中間色で洒落を楽しんでいた。チャコールのフィールドジャケットとパンツを何気なく選んだのも、そんな美意識を受け継いでいるからかもしれない。

ある夏の昼下がり、足繁く通う〈室町砂場〉で天ざるをつまみに冷酒を一杯。蕎麦屋で涼を取り入れるのも、粋な大人の嗜みだ。軽い着心地と立体的な袖まわりのおかげで、蕎麦をたぐる所作にも窮屈さがない。ゆとりのあるレギュラーシルエットが、ほどよく端正でほどよく気楽。そんなムードが老舗の蕎麦屋によく馴染む。



70年代のマウンテンパーカを思わせる斜めのジップポケットがレトロな表情を添える一方で、機能はかなり現代的。上下に採用したALPHADRY®︎は吸汗速乾性に優れ、アツアツの出汁で蕎麦をかっ食らって汗が滲んでも着心地はサラサラ。ズルッと啜ったそば汁が跳ねても洗濯できるから心配ご無用。江戸っ子たちが手ぬぐいや裏地に個性を忍ばせたように、機能素材をひっそり日常着へ落とし込むのも現代ならではの楽しみ方だ。


渋みとは、スペックやステータスをひけらかさないこと。THE NORTH FACE Berkeleyのグラフィックは後ろ裾に忍ばせ、きゅっと留めたパンツの裾タブと、いつものビーサンで足取りは軽快に。さらりと蕎麦をたいらげ、颯爽と店をあとにする。その身のこなしもまた、粋なのである。
撮影協力:室町砂場 赤坂店