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Off Shore / On Shift vol.5 海と土と食がつながる「日々の革命」

2026.05.08

海が持つ自由でリラックスしたムードをまとうnanamicaのスタイル。その空気感は、食を通じて社会と丁寧につながろうとする姿勢とも重なっています。菜食料理を軸とした「MEALS」を主宰する上田悠さんの、海と食についての日常をたどりました。

環境や社会を変える一歩は、料理から始まる。


葉山で生まれ育ち、地元を拠点に菜食料理の活動「MEALS」を営む上田悠さんにとって、海はなくてはならない存在です。「これからも海のないところには住めないだろうな、と思うくらい。自分が自分らしくいられるために必要というか」

上田さんの日常の中では、海と土と食がごく自然につながっています。食材の買い出しの帰りに車を止めてふらりと海を眺め、暖かい季節にはそのまま少しだけ泳ぐこともあるそうです。「なるべくこの土地のものを循環させるということも意識していますね。食材は地元・葉山や三浦近辺の農家から仕入れていて、信頼を寄せる地元のオーガニック食品店で調味料や乾物を揃えます」


「海町で暮らす人々は、仕事や活動に真剣に取り組みながらも、適度に肩の力を抜くバランスが自然に身についている気がします。身体に深呼吸が必要なように、仕事にもそういう余白のある姿勢が必要だと思っていて。そういう意味でも、私にとっては海が必要。特に、頭がいっぱいになっていたり、停滞感がある時に行くと、はぁ、って深呼吸できる場所なんです。私にとって海は、自分をニュートラルに戻してくれる存在です」

上田さんが料理に出会ったのは、大学生の頃、1年間オーストラリアで過ごした時のことでした。環境への問題意識を持ち始め、パーマカルチャーに基づいた自給自足のコミュニティを訪ねたことがきっかけだったといいます。「そこでは、みんなが当たり前に自分で育てた野菜を使って、毎日自分で料理を作っていたんです。それが、地味だけど美味しくて、幸せな食事で……。そこで気がついたのは、環境問題って私一人にとっては大きすぎるけれど、料理ならできるということ。環境も社会も良くしていくための一歩は、料理から始まるんだと感じて、地に足のついた活動を始めたいと思ったんです」

帰国後、上田さんは地元のオーガニック食品店で食材について学び、料理研究家のアシスタントとして修業を積んで独立し、「MEALS」の活動を始めました。「私の中で絶対に譲れないのは、素材。社会活動の一環という意識で料理をしているので、適当な食材を選んでしまうことは、私が料理をする意味そのものがなくなるんです。できるだけ環境負荷の少ない食材を使う。何を選ぶかで社会へのインパクトは変わるじゃないですか。伝統的な製法を守る調味料、地元の農家の野菜、信頼できる食品店のお米。そういったものを選び続けて料理をすることは、私にとっては“日々の革命”だと思っています」

上田さんが着ているのは、クラシックな透かし編みのニットシャツです。「服も、できるだけ天然素材や環境に負荷の少ない素材のものを選びます。どうせ買うなら、環境のことも考えて作られているところを選びたいと思って調べるようにしています。オーガニックコットンとか、リサイクル素材を取り入れているものだとすごく嬉しいですね。着心地がいいことも大切だし、長く使い続けられるようにしっかりした作りのものを選びます」

畑、海、料理と、服が汚れてしまう場面も多い日常の中で、洗濯のしやすさや手入れのしやすさも基準のひとつ。「汚れても味の出そうな服も好きです。基本的にはたくさん買わずに吟味して1つを買って、使い続けるスタイルなので、デザインも含めて長く使えるかどうかは考えて買います。動きやすさを考えて、大体いつもパンツスタイル。自分が自然体でいられる、自然に近いアースカラーを選ぶことも多いです。買い物は投票と言いますが、食材も洋服も共通して、人にとっても環境にとっても良いものを選ぶようにしていますね」

上田悠 Haruka Ueda

地元である葉山を拠点に活躍する料理家。オーストラリアでパーマカルチャーデザインコース(PDC)を修了し、料理家のアシスタントを経て講師を勤めたのち独立。2017年より「MEALS」を立ち上げ、台湾素食や南インドカレー、菜食料理を中心に、お弁当やケータリング、ワークショップ、レシピ提供、メニュー開発などを行っている。

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>>Off Shore / On Shift vol.4 海辺の古着屋でコミュニティを営む

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